消費税増税について思うこと
選挙シーズンが到来して、消費税増税が話題となっている。
そんななか、先週6月27日(日)に何気なく付けたテレビでとんでもないことを言っていた。
「サンデー・フロントライン」という番組で、菅総理のブレーンなる人物が出ていたときのこと。
『消費税を増税することにより、…社員の給料が上がり、可処分所得自体は変わらない』と言っていた。
この方はどなたかわからないけど、何を言ってるの?って思ってしまった。
例えば、年間1億円の売上、人件費で、2,000万円、仕入+その他の経費で7000万円、利益が1,000万円だと仮定しよう。
消費税が5%のとき、
税込の売上=1億500万円
人件費は消費税がかからないから2,000万円のまま
税込の仕入+経費=7,350万円
このとき、消費税として納税すべき金額=500万円-350万円=150万円
では、今度は消費税が10%に上がったときはどうなるかというと、
税込の売上=1億1,000万円
人件費は消費税がかからないから2,000万円のまま
税込の仕入+経費=7,700万円
消費税の納税金額は、預かった消費税-支払った消費税で求めるから
1,000万円-700万円=300万円となる。
つまり、10%として預かった消費税1,000万円の使い道は、仕入その他経費に支払う700万円と、納税として国に納める300万円にすべて消えることになる。
ということは、「消費税を上げることにより、給料もあがり…」なんて資金はどこにも存在しない。
給料を上げるための資金を作り出すためには、
『消費税を上げたことによる、預り金の増加分を、納税しなくてよい』
ということにするしかないのではないかと思った。
また仮に、『この増加分を納税しなくてよい』とう税制になったとしよう。
今仕事をいただいている中小企業の現状を見たときに、給料を上げるという選択をする会社がいったいどの程度あるかというと、私は限りなく少ないのではないかと思う。
それから、もっと問題なのは、消費税の税率が上がったからと言って、すべての企業が、販売価額をその分上げられるなんてことは有り得ないし。
理系出身の税理士として、理系出身の菅総理は応援しています。
「消費税の性格は預り金」というのは、もちろんわかっています。
ですが、『預かっているだけ』と認識できている企業ばかりじゃないというのが現実です。
『預かっているだけ』のはずの消費税資金を運転資金にまわしてしまっている会社がいかに多いことか。
消費税の納税に四苦八苦する企業をいっぱい見ているのは私だけではないはず。
中小企業の現状、実態をそばで見ている我々のような人の生の声を是非聞いてください。
お願いします。
税理士法人羅針盤
代表社員
税理士・社会保険労務士 望月重樹




